◇亜紀ママの忘れられない「ひと言」
「周りは先輩なんだから、ありがとうってニコニコしてればいいんだよ」
学生ホステスから、チーママになったときでした。周りは先輩ばかりなのに指導しなくてはならない立場となり悩んでいる私に気づいたのでしょう。さりげなくアドバイスしてくださり、気持ちが楽になりました。こういう方は、一緒に飲みに来られた部下の様子を観察され、「彼は何か悩みごとがあるんじゃないのか」と気配りをされます。
「もう僕は、移った先の会社に骨を埋めるまで頑張るよ」
一度落ちても復活する人は、柔軟で適応力があります。大手の化学品メーカーで社長の座を争って負け、地方の子会社の社長になられた方ですが、異動後も腐らずに、ベストを尽くしている姿がわかりました。その後、会社を揺るがす事故が起こり、トップは退陣、その方が社長になられた。心で泣いても、笑顔でベストを尽くす方に復活劇があるんです。
「昔のホステスはすごく勉強していたんだよ。今のホステスは、ただきれいなだけで勉強していない。大学出のママがいっぱい出てきて、知的なホステスが多い銀座に戻してほしいな」
元会長は、私がオープンした頃から来てくださり「頑張れ、応援してるよ」とおっしゃってくれました。まだ、大学出のママが少ない時代で、この言葉を励みに、いろいろと勉強しました。人間的にも魅力があって、まったく気取らない方です。官僚や、取引先とも喧嘩ができる方で、信念の人でした。「成功するために必死に勉強したり、努力したりすることが大事です。若い人は高い志を持って、一生懸命努力してほしい」と話されたのを覚えています。
◇利美ママの忘れられない「ひと言」
「自分が立場は上になったけれど主従関係は変わらない」
倉庫関係の不動産会社を経営する社長ですが、この言葉を聞いて「カッコいいな」と思いましたね。起業するときには応援すると話していた親しい経営者に資金援助を頼んだところ、貸してくれたのは、100人のうち5人。その後、会社は成長し、社長から仕事を発注する関係になった人もいるそうですが、あのときの恩は決して忘れないというのです。「義理と人情」ではありませんが、人とのつながりを大切にされる方は成功していると思います。