こうした医療・介護体制に対する信頼性は入居者の多くが医師であることでも明らかだ。8月末時点でサクラビアの入居者は181人(140世帯)で、うち20人が元開業医。ほかは弁護士、経営者が多い。平均年齢は82歳。要支援・要介護者は51人だ。

現在、入居率ほぼ100%の満室状態で、空き待ちが20件もあるという。

施設・娯楽も申し分ない。舞台・音響・照明設備にピアノを置いたホール、トレーニングルーム、シアタールーム、ビリヤードルーム、囲碁・将棋ルーム、絵画制作を楽しめるアトリエ、大きな電気窯を備えた陶芸用の部屋、図書室などが完備されている。

このような自前の施設に専門家を招いて、陶芸・社交ダンス・コーラス・日本史探訪講座、パソコン教室などが開かれ、さらにゴルフコンペ、コンサート、歌舞伎、花見、紅葉などのバスツアーが年に15回ほども開催される。入居者を退屈させない仕掛けが満載だ。

サクラビアはセコムと森ビルが出資するプライムステージが運営しているが、同社の水上立英社長は「両社の強みを活かしたからこそ実現できた。第二のサクラビアをつくってくれといわれても簡単にはできない」と語る。

「ここは終の棲家ですから、入居希望のお客様には必ず体験入居していただき、我々としても一緒にやっていける方かどうかお互いに確認させていただきます」と水上社長。おカネだけが入居条件ではないようだ。

(撮影=川本聖哉)