マーケティングとPR方法が当落を決める

ある選挙プランナーは、その役割こう語る。

「大きく分けて3つあります。一つ目は、コンプライアンスの徹底。新人候補ですと、ルールを全く理解していない場合が多い。なので、出来ること、出来ないことを一から教えることから始まります。

続けて、スケジュールと予算のマネジメントです。告示直前に出馬を決めた人に、告示前と後で出来ることの確認をし、どう戦略を立てていくのか。また、昔の選挙はどんぶり勘定だったりしますが、今はおカネの透明度が重要です。しかも、おカネが無い人でも立候補する場合、どうすればいいのか。その予算組みをして、最大限効果のあることは何かを確認したりします。

そして最後は具体的なマーケティングとPR方法。地域によっても、相手候補によっても、戦術はさまざま。同じ選挙はありませんから、その都度、一から組み上げていきます」

新人候補の場合、選挙カーをどう手配すればいいのか、その費用はどれくらいかかるのか、何一つ分かっていない。その説明から、候補者の特徴、強みを見い出してプランを練っていく。

イケメン候補の場合、爽やかさを前面に打ち出そうとすれば、短いヘアスタイルで白を基調とした服装とか、自転車に乗って有権者と接する機会を増やすとかが考えられる。

一方、ベテランだけど選挙に弱いオジサン候補には、若くて張りのある声のウグイス嬢に名前を連呼させ、本人は車窓から手を振るといった具合だ。

イメージ戦略は、物販でも基本中の基本。その商品の良さをどうアピールしていくかが、重要なのである。

選挙においてイメージ戦略の要となる一つが、「カメラマン」の存在だ。前回、ポスターの重要性を書いたが、ポスターのメインは候補者のアップの写真だからだ。ポスター撮影を依頼された候補者の9割が当選を果たしている“当選請負カメラマン”はこう語る。

「候補者の顔がいいか悪いかではなく、どんな考えを持ち、何を訴えていくのか。プランナーと同じように、膝を突き合わせて話を聞き、そのイメージに合った写真を撮るよう心掛けています」

1枚の写真で判断される怖さを知っているからこそ、慎重な態度で臨み、最高の1枚を撮るのだという。

スピーチライターの導入もその一つ。しゃべり方や公約の説明をどうやれば、より効果的かをリサーチして候補者にレクチャーしていく。話し方教室では、こんな指導をすることがある。キーワードはひと呼吸置いて、ポンと強く言う。その際、身振り手振りを交え、周囲を見渡すと効果がある、といった具合だ。

言い換えればイメージ戦略は、「商品パッケージ」。候補者の強み、良さを最大限引き出すことが、有権者に1票を投じさせることとなるからだ。そのために裏方部隊は、与えられた持ち場で精一杯努力を続けているのである。

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