ブラックボックスのまま候補者が決まる!?
自民党は今後、候補者選定の過程で世論調査を実施するが「この調査のやり方にも色々ある」(党関係者)という。それは、例えば調査で「誰が次期都知事に良いですか」と問う女性候補者の名前を増やし、それぞれの支持を拡散させる方法があるとされる。仮に小池、丸川、片山各氏ら女性候補5人の名をあげて調査し、男性候補は石原氏1人だけにすれば石原氏に集中することになる。その結果、世論の支持が高い人物からポスト舛添を選ぶという口実となる。
首相官邸サイドはこうした裏事情を把握しており、党関係者は「女性でも良いのではないか。イジメにすら見えてきてしまう」との声も聞こえてくる。ほかにも都連幹部からは、民進党の長島昭久元防衛副大臣を推す声すらあがる。長島氏は保守派の論客と知られ、自民党に政策は近く、与野党で相乗りできるかもしれないというのが理由だ。
だが、長島氏は前回衆院選の小選挙区で落選(比例で復活)しており、民進党幹部からは「選挙区で負ける人間が都知事選で勝てるわけがない」と突き放す。7月10日投票の参院選に向けて自民、公明両党は民進党と共産党の野合を批判しており、「その最中に都知事選候補は民進党の人物に相乗りするなんて国民をバカにした話だ」(自民党幹部)と反対意見も強いのが実情だ。
都連幹部から漏れるのは「党派色のない『第三者』が良い」との声だが、人気アイドルグループ「嵐」の櫻井翔氏のパパ、桜井俊総務事務次官が出馬固辞を表明した現在は「第三者の目」はなくなってきている。これまで自民都連の候補者選定は執行部一任のもとに決定過程の透明性が低かったとされるが、今回もブラックボックスのまま候補者擁立が決まるとの懸念は消えていない。