メモを見ずに話せるのは、事前に入念な話し合いを何度もして、自身の考えを固めているからだ。その話し合いではスライドに写すプレゼン資料の内容が固まっていくが、ステージでは、あくまで話し手が主、スライドは従であることが大事だということもわかっている。
とはいえ、重要な数字やグラフの入っているスライドは、演台の前に設置したプロンプターを見て確認している。こうした、ちょっとした準備もプレゼンの質を高め、成功に導くテクニックであるということだ。
孫正義式プレゼン資料の作り方
▼発表日が決まる
▼ディスカッション
周囲の意見を聞くことにより、イメージがつくり上げられ、自身の意見がぶれないようになる。プレゼン資料は議論の帰結として自然とできあがっていく。
▼プレゼン資料作成
誰にでも一目でわかるシンプルさが基本。ワンスライドワンメッセージ、文字を少なめにし、グラフは右肩上がりにするなど、数字を効果的に使う。
▼発表
即興性を重視し、聴き手の反応や理解度を見ながら話す。スライドに写されるプレゼン資料は背景、舞台セットの一部。話し手が主、資料はあくまで従の役割。
ジャパン・フラッグシップ・プロジェクト代表取締役社長兼CEO。1995年、東京大学卒業後、三菱地所勤務を経て、98年ソフトバンク入社。著書に『孫正義奇跡のプレゼン』『孫正義「規格外」の仕事術』ほか多数。