経済効果はドローンをどこまで活用できるか

――ドローンはどのような活用法がありますか。

ドローンは風に弱く、嵐などでは活躍できませんが、災害後に人がいけないようなところに閉じ込められた人に物資を届けるような形で活用することができると思います。船よりも速くものを運ぶことができるので、遠隔地に物資を届けることに活用できます。ドイツでは黒海の離島にものを届けるためにドローンを利用していますし、スイスの郵便局が山間部への輸送に活用しようとしています。

特区の中でドローンを活用しようという自治体も出てきています。例えば、千葉では市川市と幕張地区の間の輸送を陸送ではなく海上から行うと、より早く輸送できるのではないかと検討されています。またカメラを使ったドローンは工場やトンネル、鉄道、橋、ダムなどのインフラ点検などで活用を考える国土交通省などのプロジェクトがあります。

では、どれくらいの経済波及効果があるかといえば、それはどれくらいドローンを活用できるかということだと思います。

空撮などで使われるようになると、数百億円規模になると言われています。学校などでは卒業写真を空撮で撮影していることが多いのですが、1回飛行機を頼めば数百万円かかったところドローンを使えば、10万円程度のドローンで、毎年何度も写真を撮ることができます。報道でも災害の状況把握に使われています。新聞社は保守的なところもあるのとヘリコプターも所有しているのであまり使っていませんが、テレビ局は新しもの好きなので、カメラマンが個人で買って使っているようです。ソチオリンピックのときにはスキーをドローンで撮影していたものなどがありました。報道用に使われているのは80万円ぐらい。飛行距離はバッテリーが重いので、15分から20分ぐらいです。

今までにない空撮、たとえば室内から出ていくような映像はこれまで撮影できなかったので、プロのカメラマンなどからは非常に高い評価を得ています。結婚式の写真でも3次元的な映像を撮ることができます。デジタルハリウッドではドローンの講座を作って、カメラマンたちに指導しています。

以上のように、離島への物流や、遠隔医療、学校の卒業式の空撮、鉄道や上下水道、橋などのインフラ点検、メディアの災害などの状況把握、オリンピックなどのスポーツイベントの撮影など新しい可能性は次々に広がっています。さらに消防庁や警察などでも導入を検討しています。

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