投資したあと、いつでも売却できるので、「株価が高騰したら利益を確定させよう」などと思えばそれも可能だ。ただし、3月31日時点で18歳である年の前年12月末までは、災害等のやむをえない場合を除き、資金を引き出すことができない。売却で得た額は、そのままジュニアNISA口座で管理される。

「20歳になるまで非課税で運用できる」「18歳まで資金は引き出せない」のが、ジュニアNISAの特徴だ。

教育費づくりに利用することが想定されるが、18歳まで引き出せないことをふまえると、準備できるのは大学や専門学校などの資金ということになる。学資保険や子ども保険を利用している人も多いが、より高い利回りが期待できるものを選択したいという場合にはジュニアNISAは有力な候補になる。

18歳まで引き出しできないことも、ほかの目的に流用してしまう失敗を避ける意味ではメリットになるだろう。

また祖父母から孫への生前贈与にジュニアNISAを利用する手もある。非課税枠が新たに設けられてはいないが、年間110万円まで非課税の暦年贈与を利用すれば、年間80万円×5年間をジュニアNISAで投資できる。

信託銀行の「教育資金贈与信託」は資金を教育費に使う場合のみ贈与税が非課税になるが、ジュニアNISAでは資金の使途は限定されない。相続税対策として1世代飛ばして孫に贈与したい、孫の将来のために資金を援助したいといったケースではうまく活用できるだろう。

証券会社などではすでに口座開設申し込みを受け付けており、申し込みにはマイナンバーが必要。投資信託の品揃えが豊富で、手数料も安いネット証券を利用するといいだろう。

(構成=高橋晴美)
関連記事
子どもの教育費、最低限でいくらかかるのか
NISAって実際、お得なんでしょうか?
いちおう知っておこう 押え程度の教育ローン知識
「教育資金」学資保険とNISAどちらがお得か
贈与税:孫への教育資金「使い残し」には重税が