日本のお家芸である「ものづくり」は人的資本の蓄積なしには成り立たない。さらなる高付加価値を目指すレンゴーの模索は続く。

日本のお家芸である「ものづくり」は人的資本の蓄積なしには成り立たない。さらなる高付加価値を目指すレンゴーの模索は続く。

 じつはレンゴーが世の風潮に逆らって正社員化に踏み切った背景として無視できないのが同社独自の経営哲学である「きんとま」哲学である。創業者の井上貞治郎が生み出したもので、「きん」はお金と、鉄のように固い意志を表し、「と」はandであり、「ま」は真心の真と間を意味する。つまり、金鉄の意志・金・真・間の4つを握ったら死んでも放すなという商売の鉄則だ。

社長の大坪はさらに間という字に「時」「空」「人」をつけて時間、空間、人間を加えて会社の原点とした。

「大切にしたいものとして時間、空間は物と物との間、つまりモノであり、それから人間。お金と強い意志を持って、時間管理を重視し、モノを大切にし、そしてなんといっても人間を大切にしながら真心をこめて事業経営をしなければならないというのが『きんとま』哲学の原点。これを社員に徹底して浸透させるようにしています」(大坪)

(小原孝博、熊谷武二=撮影)