つまり、私が入社して3年半後に厚生年金基金に加入したということらしい。残念ながらサイマル出版会は98年に倒産してしまったため、確認する手立てがない。しかし、基金加入から退社するまでのたった9カ月間だが、どこの厚生年金基金に加入していたのだろうか。もしかしたら出版厚生年金基金かもしれない。さっそく同基金に電話し、おそるおそる名前と生年月日を告げて調べてもらった。

「たしかに昭和62年にあなたの記録が9カ月間あります。10年未満で退職した場合、あるいは基金が解散した場合、積み立て分は企業年金連合会に移されますので確認してみてください」

そこで、企業年金連合会に電話する。

「ありましたよ。この分の受取年金額は年1万1000円です。あなたは61歳で年金受給権が発生しますので、その年の誕生月に基金請求書類を発送しますからそこで手続きをしてください。退職時の姓名、住所で管理されていますから、変更があればその手続きも必要です」


2008年中にねんきん特別便が来ない人は、年金記録上の住所が転居などで違っている可能性があるので、最寄りの社会保険事務所に問い合わせてみよう。

すぐさま変更手続きを済ます。それでは、2つ目の会社が加入していたセゾングループ厚生年金基金はどうなっているんだろう。いまはM&Aで角川グループ傘下にあるこの会社の総務部に問い合わせると、基金は平成15年に消滅し積み立て分は同じく企業年金連合会に移管されたという。再び同連合会に連絡をとると、たしかに保管されていた。この期間の受取年金額は年5万5000円であることもわかった。

公的年金記録を知らせる特別便に企業年金の加入期間が記されていたおかげで、細切れ年金の存在がわかって調べた結果、年6万6000円の年金が天から降ってきた。調べてみないとわからない。物ぐさの私が目を白黒させながらドタバタした数カ月間だった。同様のケースがあると思うので、「老婆心」ながら会社員の読者の皆さんはチェックされることをおすすめする。調べなきゃ損ですゾ!