突発的な仕事依頼の上手な対処法

【対策3】先延ばしをなくす

さて、最重要の気が重たい仕事を朝一番で処理するというのは、まるで夏休みの宿題を最初の1週間で済ませようというぐらいハードルが高いという人は多いでしょう。

苦手な仕事、面倒な仕事は先延ばししたいものです。

先延ばしのケースは様々ですが、シンプルに2つの方法で8割は解決します。

1つ目は、「チャンクダウン」です。

チャンクダウン(Chunk Down)とは、物事の手順を具体化、明確化するということです。チャンクとは「塊」。ダウンは「小さくする」という意味です。

例えば、プレゼンが不安だとします。その不安の内容が何なのか。構成づくりか、資料づくりか、話すことか。もしくは、話し方に自信がないのか。自分は一体何を恐れているのか。不安の元を考えるのです。

発表中に頭が真っ白になることが不安ならば、原稿をきっちり作る、質疑応答で答えられなくなることを恐れているのであれば、応答問答集をつくる対策が考えられます。

チャンクダウンにより、行動の「明確化、単純化、見える化」を実現することで、対策を立てることができ、無用な不安で動けない状態から解放されるのです。

2つ目は、ベビーステップで始めることです。

例えば、「1時間のランニング」をしようとしても、足が簡単に前に出ないことがあるでしょう。このとき、「15分のウォーキング」でいいということにすると、心のハードルは下がるでしょう。

人は、一度動き始めると、モチベーションは発動するものです。やる気が湧くのを待って行動するのではなく、まずは着手する。それからやる気が湧くのです。このように、ハードルを下げて、まずは小さな一歩で踏み出すことがベビーステップです。

この「チャンクダウン」と「ベビーステップ」の手法で先延ばしを処理してみてください。締切ギリギリになって大慌てする習慣とはおさらばです。

【対策4】突発をコントロールする

仕事は1人でやっているわけではありません。上司やお客様、先輩や他部署と共に動いているので、急な仕事の依頼は必ず発生します。

突発に振り回されることで生じる問題は、「集中してやるべき仕事が終わらない」ことです。突発対応は大なり小なり発生するわけですが、それに振り回されるのか、コントロールして集中すべき仕事を処理できるのかで高密度化に大きく影響してきます。

対策は集中するべき仕事を前出のチャンクダウンによってモジュール(小さい単位)にすることです。15分単位のモジュールに作業が分かれていれば、そのモジュールが完了するまで突発に対応せずに切りがいいところで終わらせて、また次のモジュールからスタートすることができます。

このモジュール化が突発対応をこなしながらも重要な仕事を進行する方法の1つです。

また、可能な限り突発依頼を本当にすぐにやる必要があるのか考えることも重要です。

さっさと済ませた方が楽だからと、ゴールデンタイムに雑用の突発依頼を処理するのはエネルギーの観点から非常にもったいないことです。