売上げや利益を決める要素は何か

財務諸表というのは、すでに終わった過去の数字です。そこから未来は読み取れず、未来が読み取れなければ、将来への手の打ち方を考えることはできません。

しかし、KPIで最終売上げに至るまでのプロセスを管理し、目標を完全に達成することができれば、今期はもちろん、来期の売上げも思惑どおりにいくでしょう。経営者であれば、次の手やアクションプランを明確に打ち出すことも可能になります。

M&A後は、親会社が買収した子会社を経営していかなくてはなりません。その場合に、事業計画を財務諸表で策定していたのでは、すべての対策が後手に回ります。

買収後のPMIでは、

・この企業の売上げや利益を決めている要素は何か?
・売上げがあがるまでのプロセスで重要なファクターは何か?

などを徹底的に検証して最適なKPIを決める必要があります。

買収した企業を予定した成長戦略で成長させるためには、KPIで経営プロセスの管理を行っていくことが不可欠なのです。

さらに、PMIによってM&Aを成功に導くことができれば、次のM&Aに有利に働きます。M&Aを成功させた企業には、金融機関や当社のようなM&A支援会社からの情報が入りやすくなるからです。

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日本企業のM&A件数の推移

企業の存続と成長のためには、いまやM&Aが必須の時代です。後継者の不足に悩む企業はますます増えています。事業承継問題とは無縁の企業であっても、業界再編の嵐は国内どころか、国境を越えたまさにグローバル規模で吹き荒れています。

そのようななかで、国内外を問わず、M&Aの情報が積極的に集まることは、これからの生き残りをかける企業にとって、たいへん大きなメリットといえます。

M&Aの件数は1993年に400件足らずだったのが、2014年には2000件を超えるまでになっています。メディアに公表されていないものの、M&A支援会社である当社で把握している実情を加味すると、実際に行われているM&Aはその数倍にのぼるでしょう。