気の置けない仲間との明け透けな会話や周囲へ漏らしたひと言が、大事に至ることもある。大手情報通信会社のGさん(男性・46歳)は「同僚との飲み会で社長や上司の批判をしたら、告げ口され降格」となった。同じく情報通信会社の営業マンHさん(男性・40歳)は取引先で上司の悪口を言ったら、後日「そのお客様を上司とともに接待した際、お客様が冗談まじりに話してしまった」というから油断ならない。
よかれと思って言ったひと言が禍を招くケースもある。カード会社に勤めるIさん(男性・56歳)は、残業続きの上司を気遣い、「あとはわれわれでやりますから、もう退社してください」と進言したら「仲間外しと勘違いされ、その後監視された」。
上司に同調しゴマをすっていれば安全かといえば、そうでもなさそうだ。
「来期の業績は良さそうですねと上司をヨイショしたつもりが、“今期の数字が上がっていないのに来期のことを言うな”とご機嫌斜めだった」(男性・56歳)
馬鹿正直タイプも困りもの。少し考えればわかるところを、うっかりやってしまう。
「上司からの引き継ぎのとき、“それほど難しい仕事ではないから”と言われ、ついそうですねと言ってしまった。気まずくなった」(女性・44歳)
「上司が“他の部署で仕事をしたい者は正直に手を挙げろ”と言ったので自分の能力等を勘案し申し出たら“俺の下では働けないということか”と、担当先を取り上げられるなどいじめられた」(男性・45歳)