軽井沢町役場の生活環境課長の荻原確也さんは「大きいからといって個人の別荘でないとはいえないが、あまりに大きな建物なので『行為届』を出してもらい要綱の面でも厳しくチェックした」と話す。いったい誰の別荘ですか? という質問には「大成建設は絶対言えないというので、いまだ私たちもわからない。大成建設が責任を持つと言うので了承した」。名義上の所有者がピーエムリゾートであることは明白で、それを「絶対言えない」と言うのは、別に事情があるからだろうか。

要綱には「土地の形質変更及び埋立ては最小限にとどめ」「多量な土石の移動を極力避ける」ものとするとあるが、この工事はこれに違反していないか、という質問には「『極力避ける』ということであって『いけない』ということではない。そう書いてあることによって、事業者も気を付け、こちらも指導することができる。地下3階、地上1階としたのは、地上の景観を考えて地下へと延ばした」と言う。大量の土砂の運搬について大変なことになると想像できなかったのかと質問すると、「土砂の運搬については、大成に慎重に行うよう注意している。近隣への説明は大成から区長に話してあるし、大成も近隣に説明を行っていると思う。個人の別荘ということで受けているので、建ったあとで事実が違ったら、そのままということはない。何らかの対処を考える。使う人数は家族で4~5人、ほかに管理人と聞いている」。

本当の所有者の存在を、誰もが口を閉ざす別荘建設。金額からかなりの大物ということは間違いないようだ。はっきりするまでにあと1年――。

(広川小夜子=撮影 時事通信フォト=写真)
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