「拘束」を超えたコミットメント

「3日勤務」のパフォーマンスを議論

マッチングに向けた、受け入れを希望する企業と参加者による意見交換やディスカッションも始まりました。大企業も何社かはありますが、多くは、“イレギュラー”なモデルに柔軟に対応できる中小・ベンチャー企業です。当然、「週3日」といった時短ワークでいかにパフォーマンスを発揮するのか? という議論になります。

もちろん、場所や時間を「拘束」してもらうことが、それを約束することが、新卒などの若手社員にとっては提供できる価値として分かりやすいものだったと思います。しかし、小規模な会社になればなるほど、社員一人への投資の割合は大きくなるわけで、重要なのは「会社にいること」ではなく、「パフォーマンスを発揮すること」です。教育への投資も限られます。

ある企業の担当者は、「時間や場所の『拘束』を超えた強いコミットメントがあれば、きっと一緒にうまく仕事をやっていけるのではないか?」と話していました。これをうけて参加者たちは、「いかに3日間の集中力を最大化し、瞬間風速を高めて働くか?」「正社員とは違う立場だからこそ、客観的に判断して効率的に業務できるようになるのでは?」などと、“イレギュラー”なポジションの価値を最大化し、いかに新しいワークスタイルの成功事例を生み出すか、議論を重ねています。

「週3日なら全力でコミットできる」という若者が増えたとして、それがそんなに悪いことなんでしょうか? 自分の人生全体を、仕事や会社ありきで設計せず、ライフキャリアのバランスを図りながら、やりがいや生きがいを見出していく。当然苦労することもあるでしょうが、働き方やライフキャリアの描き方は、一人ひとり多様であって然るべきです。今、自分自身で選択し、「自分の人生に責任をもって生きる」ということ以上に重要なことがあるのでしょうか?

もちろん、これは選択肢の一つであり、「答え」ではありません。参加者のみんなには何度も繰り返し言っています。それでも、あえてこの場を選択し、覚悟し、そして楽しみながら「大切な人生を使った実験」に参加しているのです。必ず、参加者にも、受け入れ企業にも、そして社会の一部にも、何かしらの変化は生まれます。そして、何かしらの「結果」がもたらされます。それは、この「ゆるい就職」というプロジェクトに集った今を生きる人たちの、リアルな生き様そのものです。

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