法的整理に入る日本航空の経営の失敗は多くの企業にとって他人事ではない。内需の喚起が限界に来ている日本企業には前向きな挑戦が必要だ。そのカギは「背伸び戦略」にあると筆者は説く。

日航の低迷と混乱は日本企業の病の象徴

日本航空が会社更生法適用を申請して、事前調整型の法的整理に入ることになった。素朴に考えて、長期的にもっとも再生に貢献する道を政府が選んだということだろう。たしかに思い切った再生案だが、そのくらいやらなければダメであろう。

多少はこの問題に関係があった私も、納得である。私は2009年8月初旬から1カ月強の間だけ存在した国土交通省の「日本航空の経営改善のための有識者会議」のメンバーだった。航空問題にはまったくの素人の私が、しかも企業の経営についてはとかく辛口の私が会議への参加を求められたとき、自分でも驚いた。

しかし、それは自民党政権の最末期の会議発足だった。総選挙前に会議が1回、総選挙後で組閣直前に1回、計2回の会議が開かれただけで、新しい前原大臣は就任後直ちにこの会議を白紙に戻すと記者会見でのべた。それで終わりだった。同じ会見で、日航の法的整理は考えないと大臣がいっておられるのをテレビで見て、大丈夫かなと心配するだけだった。