机に向かって勉強することもあるが、集中力が切れたら無理せずに中断する。

「気分転換に遊びにいったとしても、私は遊んでいる間も勉強のことが気になって、うまくリフレッシュできないのです。思考をいったん断ち切るという意味では、睡眠が1番。短時間でも頭がすっきりして意欲が湧いてきます」

せっかく学んでも、忘れてしまっては意味がない。インプットするためのツールとして逢坂氏が活用しているのが、パソコンやスマートフォンにノートを取るように情報を蓄積できるソフト(およびWEBサービス)のEvernoteだ。学んだ内容をここに書き込むことで頭にインプットし、さらに仲間との情報共有にも役立てている。

「年収を増やしたければ自分の専門分野をバーティカルに掘り下げることが必要ですが、一方で、お客様の業界の最新情報などホリゾンタルに知識を身につけていくことも大切。昔は勉強会などに参加して幅広い知識を学んでいましたが、最近は各分野の仲間とクローズドなサークルをつくり、Evernoteを使って情報をシェア。こんな記事があった、この本が面白いという情報を共有しています」

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図3 勉強したことを記憶しておくためのコツがある

記憶に関する質問でも、高年収の人ほど自分なりのワザを持っていることがわかった(図3)。回答者に具体的なテクニックを尋ねると、「3回、人に語る」(社長・1500万円台)、「図に落とし込む」(部長・1500万円台)というように、何らかのアウトプットをすることで記憶の定着を促す人が多かった。

「私はすべて覚えようとせずに、どこにどの情報があるのかという全体図を記憶します。本でいえば、目次を覚えるイメージ。それさえ押さえておけば、後で調べるのも簡単。業務で困ることはありません」(藤川氏)

(調査概要/楽天リサーチを通じて、ビジネスパーソン999人より回答を得た。調査期間は12年6月21~24日。図は、「Q.現在、勉強しているものの数」でゼロと回答した方を省き、全体数は334人。)

藤川 太
生活デザイン代表取締役。1968年、山口県生まれ。慶應義塾大学卒業後、自動車会社を経てファイナンシャルプランナーに。2001年に現在の会社を設立以来、「家計の見直し相談センター」で1万3000世帯を超える家計を診断する。


逢坂ユリ
資産運用コンサルタント。ニューヨーク大学卒業。モルガン・スタンレー・アセット・マネジメント、ゴールドマン・サックス証券、ドイツ証券を経て、2005年に独立・起業。現在は執筆業、資産運用やキャリアアップなどの講演・セミナーを行う。
(澁谷高晴、坂井 和、平地 勲=撮影)
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