――イギリスの中央銀行の金融機関支援策が出て、ポンドが急上昇したときですね。

主婦(仮名)中西まゆみ●37歳、都内在住。外資系金融機関を退職。退職金をつぎ込んだ投資信託が半減したが、すでに億単位の資産を蓄積し、金融機関勤務の夫(39歳)も引退が視野に。子供なし。

【高橋】すごーい! 私は最高で月100万円くらいです。ただ、画面の上だけの話で、儲かった分も換金せずにどんどん賭けていったので。でも、調子のいいときは朝起きれば上がってるし。

【大黒】やってて一番面白かったのは、市場が総崩れする直前の昨年9月頃でした。スワップポイント(2つの通貨の金利差でつく儲け分)だけでも月に10万円くらいついてました。生活費とは別に、それだけのお金があったら嬉しいじゃないですか。毎日、パソコンの画面を見るのが楽しい。

【中西】夜中につい、パソコンやケータイを開けて「うふっ」と笑って、また寝るとか(一同爆笑)。

【高橋】みんな、やること同じですね。

【大黒】あるとき、300万円入れた元手が400万円に増えた。嬉しくって、100万円の(エルメスの)ケリーバッグ買っちゃいましたもん。

一同 おー(感嘆の声)。

【高橋】一昨年の7月には、250万円ずつ2つに分けていた元手の一方が850万円まで増えてました。夫の300万円も500万円に増えたから、お盆に2人でセブ島に行ったんですけど……。

――サブプライムが本格化した頃?

【高橋】そう。時期が悪くって、1日中現地のネットカフェにこもってました。夜は夜でケータイをずっと使い通し。全然楽しめなくて。旅費の40万~50万円はカード払いだから、結局は私の生活費をそのまま使ったことに。帰国したら、パケット代も2万円超えてました。それ以降は損ばっかり。3日で250万円がなくなったこともありました。お金を次々に追加しても焼け石に水。どんどんロスカット(損切り)され、9月や10月には私も夫もちょっとおかしくなってた。

【中西】(絶句)……貯金は今、どれくらいあるんですか?

【高橋】今ですか?(苦笑)年末に結婚したときはゼロ。FXをやる前の私の700万円と夫の300万円が消滅。でも、カネの切れ目が縁の切れ目にならず、かえってしがらみがなくなったことで結婚に踏み切れた感じ。ただ、運用の履歴書はもう見たくない。奥にしまい込んである。

(ヤマモトヨウコ=撮影 ※写真はイメージです)