こうした厳しい状況になればなるほど、真っ先に削られてしまうのがお父さんのお小遣いだ。図表4にあるように1990年の7万6000円をピークにして、日経平均株価と足並みを揃えながら減少傾向をたどってきた。11年の金額は3万6500円で、単純比較して30年前の82年当時とほぼ同じ水準だ。「このなかで昼食代もやりくりしているとなると、同僚や部下と『仕事帰りに1杯』となっても、300円均一の激安居酒屋に行くのがやっとではないか」と節約アドバイザーの和田由貴さんは話す。
そして、不気味な存在となりつつあるのが予想外に多い無貯蓄世帯だ。図表5を見てわかるように、20代で27.2%が貯金ゼロの状態に陥っている。また、50代でも23.9%と4世帯に1世帯に近い割合で無貯蓄なのである。また、最近発表になった11年時点の調査では、無貯蓄世帯の割合が全体で28.6%と約3割の世帯が無貯蓄であることがわかった。こうした人たちが定年を迎えて多少なりとも退職金を手にしたとしても、年金の受給開始まで食いつないでいくのがやっと。早晩破綻するのは火を見るより明らかだろう。