古典的なストーリーと定番フォーマット

ではなぜ、間口の狭い『鬼滅の刃』が、ホラー的な描写はなくファン層の広い『名探偵コナン』の興収を大きく上回るのか。劇場版の近作のデータからは、後者のほうがヒットすると考えるのが一般的だろう。しかし、今年の2作の結果は逆になる。

その理由のひとつは、まず『鬼滅の刃』のストーリーが、日本人に刺さる王道の古典的な活劇であること。親の仇討ちと家族を守るために戦う設定が物語のベースにある。

そこに、子どもたちや男性層が好きな、それぞれの特殊能力や必殺技を持つキャラクターたちの戦いが、ふんだんに盛り込まれる。「努力」と「友情」による力が「勝利」をつかむ定番のフォーマットにのっとっている。