「コメは余っている」が、「使えるコメは足りない」
ところが、こうした外食・中食用途で求められるのは、炊飯後の食味が安定し、大量調理・長時間保存に適した品種。農家が自主的に作付けする“炊飯向けコメ”とは必ずしも一致しない。このため、市場全体では「コメは余っている」が、「使えるコメは足りない」という“質的な需給ギャップ”が生まれてしまった。
業務用米の大口需要家である外食チェーンやコンビニエンスストアでは、価格と安定供給の両立が不可欠だ。2024年のように新米の入荷が遅れたり、作柄が平年並みでも収量が少なかったりすると、「早場米」を買い控えるなどの動きが出て、価格の乱高下を招きやすくなる。市場が“緊張状態”に陥ったのは、こうしたミクロな判断の積み重ねでもある。
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