「ジンギスカン作戦」という愚策

インパール作戦を立案し実行した第15軍司令官の牟田口廉也陸軍中将は、さすがにビルマからインパールまでの400キロの道のりを徒歩で進むにあたって、心もとない補給では厳しいということは自覚していました。そこで牟田口が考えたのは通称「ジンギスカン作戦」と名付けられた補給戦法です。

これは主に牛を運搬手段として活用するというもので、牛の背中に武器弾薬、食料、それにトラックや野戦砲などを分解して載せ、自動車の代わりとして活用する一方、現地インパールに着いてからは牛そのものを肉として食料にすればよいという、一石二鳥の補給構想でした。