「どの高校に進学するのか」が重要になった背景
もっとも、そのふるい分けの意味合いは、高校教育のあり方がどうなっているのかによっても大きく変わってくる。もし高校教育が希望者を基本的に入学させる緩やかなシステムであったならば、入試はあるにせよそれは資格確認的なものとなり、多くの人にとって思いの残るようなイベントにはならなかっただろう。しかし、現実はかなり違っていた。
ご存じの通り、日本では「どの高校に進学するのか」によってその先の進路が分かれていくイメージが持たれており、また実際にデータでもそのことがたびたび裏付けられてきたからである。教育社会学ではこうした様々な高校の間にある卒業後の進路の違い=高校間格差の構造を「トラッキング」と呼び、日本の選抜システムを特徴づける重要な研究対象として分析がなされてきた(藤田1980、岩木・耳塚編1983他多数)。
なかでも、樋田らの研究グループ(樋田他編2000、樋田他編2014)および尾嶋らの研究グループ(尾嶋編2001、尾嶋・荒牧編2018)は、長期にわたって同一の高校を主な対象とする調査を継続し、その経過の中で様々な変化を見出しつつも、高校間格差構造の基本的な形は長期的に安定してきたと指摘している。
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