同じ頃、『ビルマの竪琴』を知った。第二次世界大戦中、ビルマ(現在のミャンマー)で敗戦を迎えた日本軍をモデルにした小説で、主人公は「水島上等兵」。水島は「一緒に日本に帰ろう」という仲間の声を振り切り、ビルマに残って戦没者を弔う道を選ぶ。

「絶対、仲間と日本に帰るだろうと思っていたから、ビックリしました。小遣いの余りを募金する僕と比べたら、自分のことより戦友のことを考えた水島上等兵ってすごいなと思いましたね。教会で聞いた聖書の話でも、イエス様が、すべての人のために命さえも捧げられたこと、同じように隣人のために犠牲を払うことが教えられています。それで、僕も牧師になって苦しんでいる人たちのために働こうと思ったんです」

藤藪さん
筆者撮影
高校時代はバレーボール部で全国大会に出場した経験を持つ

神学科を出て保育士に

この思いは一切ブレることなく、藤藪さんは子どもの頃からよく知る白浜バプテスト基督教会の牧師、江見太郎さんの推薦を受けて、東京基督教大学の神学科に進学する。