「金融とモノづくり」異なる2つの道の決断

現在の事業内容は、1990年代から2012年頃の状況とかなり異なる。1990年代以降、ソニーは、ウォークマンのようなヒット商品を生み出すことが難しかった。リーマンショック後、韓国や中国企業の急速な成長に直面した。テレビ事業など家電分野の成長は鈍化した。海外での買収戦略も想定された成果を発揮できなかった。

それに対して、金融事業は厳しい状況下で収益を支えた。ただ、金融ビジネスとモノやコトを生み出すビジネスは根本的に異なる。金融事業では、低コストで資金を調達し、利ザヤが厚い分野に投融資して収益を得る。ただ、収益は相場の変動に影響されやすい。