「能力の無さ」は課題回避の言い訳にすぎない

自分は有能でないと思っている人や、有能だと思っていたけれどもそうではないかもしれないと自分の能力に自信を持てなくなった人は、結果が出て評価されることを恐れるので、仕事に取り組もうとしない、少なくとも積極的に取り組もうとしなくなります。

自分が有能であるという確信が揺らいでいるとはいえ、自分は有能で優秀なはずだと思いたい人には、仕事に全力で取り組まない「理由」が必要です。よい結果を出せないのではないか、自分は有能ではないのではないか。これが劣等感です。このような劣等感があることは、少なくとも全力で仕事に取り組まない理由にできます。「課題に取り組まなければ、有能でないという現実を直視せずにすむ」という自己防衛の心理です。

実際に能力がないので仕事に取り組めないのではありません。能力がないことは劣等性(inferiority)ですが、劣等感(inferiority feeling)は劣っていると感じていることであり、実際に劣っているわけではありません。仕事に取り組めば結果が出ますが、取り組まなければ結果は出ません。しかし、取り組まないためには理由が必要です。そこで、その理由として劣等感が登場するのです。