夫とは「生き別れ」

博子さんは1932(昭和7)年、茨城県下妻市に「下駄屋」を営む両親の下、6人きょうだいの第3子として生まれた。高校卒業後に、上京。結婚して麻布に住む姉の家に居候して、東京での暮らしを始めた。

戦後復興期の東京。18歳の少女は故郷を離れて、東京という新天地で生きることを選んだわけだが、当時、若い女性が単身、上京すること自体、珍しいことではなかったか。