性癖面での願望をあからさまに書く人たち
既婚者向けの合コンやマッチングアプリが増えています。「既婚者クラブ」(運営会社:リンクス)、「カドル」(運営会社:ThirdPlace)、「ヒールメイト」(運営会社:レゾンデートル)といったサービスが数十万人の利用者を集めていると発表しています。既婚者ならではの気持ちや悩みを共有したり、家庭以外のコミュニケーションの場を探したりするツールという建前で、いずれも「不倫は推奨しない」としていますが、その実は、安心安全な浮気・不倫をするためのマッチングアプリです。
浮気や不倫をする際、片方が独身だと、離婚や結婚を迫られたり、家族にばらされたりするリスクを伴います。一方、既婚者同士であれば、後ろめたさと秘密の厳守はお互いさまなので、リスクが激減します。また、家庭はうまくいっているけれど、ときめきがほしかったりセックスレスを解消したりする目的の場合も、既婚者同士のほうが好都合です。出会いから別れまで素性を知らせないままでいられる点で、周囲にばれる確率は低くなります。こうして利用者の多くが、家庭を維持しながらセカンドパートナーとも楽しんでいるわけです。配偶者にとっては、たまったものではありません。
アプリの仕組みは、家族にばれないようにするために、さまざまな工夫がほどこされています。まず、既婚者マッチングアプリは「アプリ」といいながら、実際の閲覧やメッセージのやりとりはブラウザで行います。アプリにすると、スマホ画面にアイコンがあったり、メッセージ通知がきたりして家族にばれる可能性が高まるからです。
登録する顔写真にはぼかし機能が備わっていて、ぼかすレベルを自由に調整可能です。体目的の人が多いことも織り込み済み。見た目の情報をかなり細かく入力する仕様になっていて、体形はやせ型か、普通か、ぽっちゃりか、もしくは筋肉質かなどについて明記してあります。性癖や理想の行為回数についても任意回答するため、より自分に合う婚外恋愛相手を探せるのです。
既婚者マッチングアプリの利用料金は、女性無料、男性有料で、男性は月額約1万円というサービスが主流です。1万円ということは年間約12万円で、アプリの利用料としては高額です。『既婚者クラブ』を例にとると、会費は1カ月8800円で、1日10件以上相手に「いいね」をしたり、自分を検索結果の上位にさせたりする場合は、さらに追加料金がかかり、月2万円を超えるプランもあります。この金額のサブスクを気軽に利用できる人が会員になっているせいか、男性登録者の年収は平均より高めの人が多い印象です。
それは「パパ活女子」の集客場としても適していることを意味します。女性の登録者を見ると、なかにはキャバクラさながらのボカシなしの加工写真を公開し、パパ活を思わせるアピールをしている若い人が見受けられます。デートしておごるだけで済めばいいですが、ぼったくりバーに連れて行かれるような事件も起きていますので、注意が必要です。
会員登録を済ませたら、自分のプロフィールを作成します。ニックネーム、居住地、年齢、身長、体形、職業、年収、性格、理想の付き合い方(話し相手、ディープな関係など)の基本情報はテンプレートになっていて、それ以外にも自由に記載できる欄があります。
自由記載欄には、登録した背景や希望の関係性、自身の考え方などを書きます。「夫婦で会話がなく寂しい」「夫を男として見られない」など夫婦関係に不満を感じて入会した人もいれば、夫婦関係は良好だけれど、ほかの人とも仲良くしたい人もいます。肌感としては、女性は育児ストレスや夫婦関係の破綻、セックスレスなど、悩みのはけ口として登録している人が多く、男性は女性に比べると比較的、夫婦関係は良好だけれど遊びたい感覚の人が多い気がします。お互い既婚者でオンリーワンの相手探しではないせいか、未婚者のマッチングアプリに比べると、性癖面での条件をあからさまに書く人が多いと感じます。例えば、自分はMなのでS希望とか、拘束されたいなどの願望です。公式パートナーには言えない願望をセカンドパートナーにお願いして、家庭とのバランスをとっている既婚者が多いのではないでしょうか。
一方で、性別を問わず「大切に思える人が一人見つかったら退会します」という、いっけん誠実なコメントを多く見かけます。このサイトに登録している時点で100パーセント浮気者で、不誠実なのに、矛盾したアピールですね。「定年退職して孫が生まれるまでの間が暇なので、それまで遊べる女性を探している」という人もいました。
一瞬、家族思いにも見えますが、遊びの方向が間違っていないでしょうか。
ここから先は有料会員限定です。
登録すると今すぐ全文と関連記事が読めます。
- 広告最小化で快適な閲覧
- 雑誌『プレジデント』が最新号から読み放題
- ビジネスに役立つ学びの動画が見放題
- 会員限定オンラインイベント


