「報告書の内容が衝撃的過ぎた」

フジテレビを再生させるのは難しい。総務省に認可権を自主返納して、解散するしか道はないのではないか。

タレント・中居正広の性的トラブルに端を発したフジテレビ問題を調査してきた第三者委員会が報告書を出した。これを読む限り、私にはそう思えてならない。

それほど3月31日午後4時から会見を開いた第三者委員会(竹内朗委員長、以下第三者委)の報告内容は衝撃的で、今回の問題が深くフジ内部に巣食っている病根の深刻を浮き彫りにした。

スポーツニッポン(4月1日付)でフジテレビ担当の吉澤塁氏がこう書いている。

「報告書で明らかになったのは、異常なまでのタレントファーストの姿勢だった(中略)会見が前回より荒れなかったのは、報告書の内容が衝撃的過ぎたため。清水賢治社長が旧体制からの脱却を表明したことは評価できるが、今まで以上に視聴者やスポンサーも厳しい目を向けることは間違いない」

400席以上の椅子が用意されたが、記者の数は約半分。竹内弁護士が報告書の概要をかなり詳細に説明したため、質問時間はそう多くはなかった。いくつかの不規則発言を除けば静かな会見だったとテレビを見ていて思ったが、記者たちも報告書の内容に驚き、何を聞いていいのか戸惑っていたということのようだ。

2025年3月31日、午後7時から行われたフジ・メディアホールディングスとフジテレビジョンの記者会見
撮影=石塚雅人
2025年3月31日、午後7時から行われたフジ・メディアホールディングスとフジテレビジョンの記者会見にて

中居と女性が知り合ったのは3年ほど前

第三者委は中居正広と女性との性的トラブルの真相と、それを知っていながら放置してきたフジテレビ側の問題を調査するためにフジが設置した。

約2カ月という短い期間だったが、竹内弁護士をはじめとする弁護士たちが、222人の関係者から聞き取り調査をして約400ページ(記者たちに渡された公開版)の報告書にまとめた。

メディアがお手本にしたい、これぞ「調査報道」といいたくなる見事なものである。

その中で、中居とトラブルがあったのはフジテレビのアナウンサーAさん(週刊文春などでは芸能関係者)だと特定している。

中居とAさんを結んだのは当時、編成局編成戦略センター編成部長のB氏としている。

2021年11月頃、B氏は外資系ホテルαのスイートルームでの飲み会を開催し、そこでB氏の紹介でAさんは中居と知り合った。この会以降、BBQが開催されるまで合計4回、B氏はAさんと同席したり、彼女を食事会に誘ったりしている。その中には港浩一社長の古希の祝いの会もあった。