「天皇の父親」が悩みの種に…

天皇の父親がどんな待遇を受けるかを考えるにあたっては、現行法上、天皇の母親が必ずしも「皇太后」になられるとは限らないことが参考になる。

戦前に書かれたものではあるが、宮内省図書寮編修課長などを歴任した歴史学者・芝葛盛かずもりによる皇太后の解説を次に示そう。

「現制に於ては皇太后は天皇の御母を云ひ、皇太孫若しくは支系の皇族の天位を継がれたる場合には先帝の皇后を云ひ、陛下の敬称を奉る。(中略)往時に於ける尊称、追贈のことは行はれない」――国史研究会編『岩波講座日本歴史 第10巻 皇室制度』(岩波書店、昭和9年)47頁。