「僕、失敗したことないんだよね」

僕がマイクロソフトでマネージャーをしていた頃、「失敗」に関して面白いことを言うメンバーがいました。

彼は、僕が入社した時点では営業本部長だったのですが、「マネージャー飽きたからチームに入れてよ」と自分から来てくれるような人でした。つまり、キャリアは僕よりはるかに上。そのため、僕のチームのメンバーでありながらメンターでもあるという面白い関係性で、ときどき「なんか困ってない?」とメンタリングを兼ねた雑談の相手をしてくれていました。

その雑談の中で彼は、「僕、失敗したことないんだよね」と言うのです。すごいなと思って「いいですね!」と返すと、一言。

澤円『うまく話さなくていい ビジネス会話のトリセツ』(プレジデント社)
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「ただね、結果が自分の思ったとおりになった試しがないんだよね」。

これぞまさに鬼メンタル。「思っていたのと違う結果が出る」ということを最初から想定内にしておけば、“失敗”はなくなりますし、その結果に落ち込んだりヘコんだりすることもないというわけです。

そして、うまくいったときは「なにかの罠なんじゃないか」「このあとドッキリカメラでも入ってくるんじゃないか」と思っておく。

それぐらいの姿勢でいるほうが、心持ちとしてはラクになるのではないかと思います。

「1000回の学び」がひとつの成功をもたらす

僕自身も、もともとスキルフルなわけではないし、すごくピカピカのキャリアがあるわけでもありません。

だけど、バカみたいに全部しつこくやる。ひたすらやる。続ける。

そうすると、落ち込んでいる暇はなく、かつ、必ず何か得るものがあるはずです。エジソンも「1000回失敗したのではなく、1000回の学びがあって1個の成功を得られた」と言っている通りです。

自分自身、なかなか満足できないな、ヘコんじゃうなと思うんだったら、とにかくアウトプットの量を増やしてみる。量を増やして、あがいてみましょう。

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