海外では、意外な人たちが評価されている

海外から評価の高い“人材”を知っていますか?

それはニッポンの“労働者”です。会社員、エンジニア、サービス業に関わる職業、料理人に野球選手やサッカー選手……例を挙げ切れないほどです。

日本の会社員は相手をだますような契約をしません。エンジニアは手を抜かず、改善をくり返して、高品質の商品を作ります。

マジメに練習に取り組み、チームへの協調性を発揮する日本のプロスポーツ選手も評価が高いでしょう。

では、逆に評価が低い日本人を挙げましょう。

それは、政治家、大学教授、経営者です。

日本は、海外からの評価と、国内の評価が逆転している変な国なのです。偉そうな日本の経営者や政治家に教えを請うために「ウチに来てほしい」と外国から呼ばれた話を聞いたことはないでしょう。

国内でこそ社会的地位が高い大学教授ですが、海外の教育機関が日本の高校までの教育システムを参考にした例は多くても、大学に関してはサッパリです。

はためく日本の国旗
写真=iStock.com/baona
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「日本人は交渉下手」は誤解である

反面、野球やサッカーなどのプロスポーツ選手は言うに及ばず、エンジニアは海外から引く手あまたです。日本の熟練の技術者が高給で迎えられる話はめずらしくありません。

グローバル・スタンダード化にひるむ必要はないのです。

よく言われる「日本人は即断即決できない交渉下手」というのも、じつは誤解です。というより、マイナス面ばかり強調されがちなのは、外国人が、商談で自分が有利になるように仕向けるための戦略です。

むしろ、日本人は優秀でスキがないと思っているので、じっくり取り組まれると困るのでしょう。

たとえ、海外との商談で「優柔不断だ。その場で決断できない」と非難されても問題ありません。毅然として「なぜ1日ぐらい待てないのですか」と返せばいい。

その場で結論を迫るのは、相手を思考停止させる典型的なやり口です。振り込め詐欺と同じなので気をつけてください。