美容室はカット料金が1000円台の店もあれば、1万円以上するところもある。なぜこれほど価格差があるのか。美容師の操作イトウさんは「6000円前後の『高価格帯』と3000円前後の『低価格帯』で二極化が進んでいる。店の運営方法を分析することで『適正価格』が見えてくる」という――。
美容室で髪を切る男性
写真=iStock.com/YakobchukOlena
※写真はイメージです

ヘアカット料金は二極化が進んでいる

だんだんと春らしい気候を感じるようになった、今日この頃。転勤・異動や転職など、生活環境が一変する方も多いでしょう。新天地で悩みの種になりやすいのが、新しい美容室探し。

ネット予約サイトをのぞくと「カット料金」は驚くほど価格差があることから、「安くてお得」がいいか「高くても上質」を求めるか、悩ましいところ。

実際、ビジネスパーソンとしてはどちらが有益なのでしょうか?

美容室の多い繁華街のヘアカット料金は、6000円前後の「高価格帯」と3000円前後の「低価格帯」と二極化していることがほとんどです。およそ2倍近い金額差から、お客様のニーズも多岐にわたることがうかがえます。

ですがなぜ、それほどまでに価格差が生まれているのか?

このカット料金の「6000円」と「3000円」の価格差を招いている要因の一つは、ホットペッパービューティーを中心としたウェブ予約サイトでの「新規顧客の獲得合戦」です。

なぜ2倍もの価格差が生まれるのか

美容室側がロイヤリティーを払って掲載しているウェブ予約サイトは、運営側にも消費者にも利便性があり、圧倒的な集客力を発揮します。ですが運営側からすると、サイト内の数多ある美容室から消費者に選ばれないと、お客様が来店することはありません。

この熾烈な争いの中で重要視されるのが、「価格」です。

「安いカット料金」にすれば、集客力は飛躍的にアップします。「割引クーポン」も同様、初回割引は「お得感」と「お試し」の要素を兼ね備え、初回の満足度が高ければ固定客につながりやすくなります。

それ故、カットを中心とした「施術の安売り」をする美容室は多くあります。

ですが、店によって「およそ半額にもなるカット料金」は、どのように算出されているのでしょうか? カットは、美容師が付きっきりで作業する必要があります。時短するにも限界がありますし、材料費で経費削減とはいかないはず。

そんな低価格帯の運営方法には、3点の特徴があります。