大学受験に失敗し、失恋もした時に1週間続けたこと

さらに三つ目の解決策として、「他の世界に逃げ込む」のもおすすめしたい。僕は、とんでもなくつらいことがあった時(大学受験の失敗や書いた小説のボツなど、数年かけたものが無駄になったレベルだ)、いつも他の世界に逃げ込んできた。

具体的には、大学受験に失敗し同時に失恋もした時には漫画『東京大学物語』全34巻を繰り返し読んだ。1週間くらいこれをし続け、つらすぎる現実世界から漫画の世界へ逃避したのだ。他にも、小説がボツになった時はドラゴンクエストというゲームに逃げ込み、やはり1週間くらいは失敗を考えないようにしていた。

中山祐次郎『医者の父が息子に綴る 人生の扉をひらく鍵』(あさま社)
中山祐次郎『医者の父が息子に綴る 人生の扉をひらく鍵』(あさま社)

人間というものは不思議な生き物で、時間が経つとそのショックは自然に和らいでいく。「時ぐすり」「時間薬」なんて言う人もいるが、本当にある。衝撃的なことがあったあとはゲームや小説、漫画など他の世界に逃げ込み、生傷が癒えてかさぶたができてきた頃に少しずつその痛みに目をやっていく。僕はそうやって生きてきた。

大切なことだからもう一度繰り返すよ。

嫌な人だなと思ったら、すぐに離れる。なるべく近づかない。どうしても離れられない関係の人だったら、心の中で壁を作る。そうしないと、心を壊されてしまうから。

こういうのは「逃げ」ではない、「戦略的撤退」と言うんだ。自分の心を守り、元気でなければプロを目指したり、人を癒したりすることは難しいのだから。

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