山崎製パン社長 
飯島延浩 

1941年生まれ。64年一橋大学経済学部卒業後、同社入社。70年取締役、79年1月常務、79年3月に現職就任。日本パン工業会会長も務める。ドラッカー研究所(米国)の理事を務めるなど経営学者ピーター・ドラッカーにも詳しい。

創業者の父・藤十郎が病を得たことが、私の苦しみの始まりでした。実弟である叔父に一時経営を委ねましたが、叔父は父の病状が回復しても「社主はまだ病気だ」と言い張り、主導権争いを繰り広げる事態になりました。1973年頃のことですが、この時期から父は教会へ通い始め、私も同道するようになりました。

父と一緒に必死で解決の努力をしましたが、私たちの意見は役員会でも否決されてしまう。私は問題を解決するには父、母、私の3者が心を一致させて対処する必要があると考え、両親に受洗を提案しました。3人揃って洗礼を受けたのは、73年7月15日のことでした。