10期連続赤字の衝撃とメインバンクとの面談

そんな邦夫氏が倒れたのが2018(平成30)年の夏。記録的な猛暑が続く日々の中だった。

「父の入院中に、社のメインバンクから面談を求められたのです。私が一人で行くことになりましたが、その時初めて泉屋の経営実態を知りました。父から一切知らされていなかったので、面談前に経理担当に頼んで会社の借入金や社員の給料など実際の数字を教えてもらったんです。驚きました。10期連続赤字で、借金も相当あったんです」

メインバンクとの面談は厳しいものだった。すでに大きな借入がある中、毎年冬の繁忙期に備えて定期的に受けてきた短期融資を「今年はお出しできないかもしれません」。そこまで話は差し迫っていた。