なぜ高齢者を目の敵にするのか

これまで見てきたように、若手論客が共通して指摘する日本社会の問題点は、「いまの自分たちの生活が苦しいのは、社会保障が高齢者を優遇し過ぎて社会保障財源を奪っていることだ」というものだ。だから、高齢者に対しては、思い切った社会保障カットと増税・増負担が必要だというのが彼らに共通する政策要求になっている。

もちろん、いまの高齢者が優遇されているという事実がないことは、これまでに明らかにしてきたとおりだ。いまの高齢者は若者同様、あるいはそれ以上に厳しい生活環境に置かれている。高い公的年金を受給することで、左団扇うちわの老後生活を送っている高齢者など、私の周りには一人もいないのだ。

そうしたなかで若手の論客たちがなぜ高齢者を目の敵にするのか。それは、背後に財務省がいるからだろう。いまや日本の財政は世界一健全になっており、財務省が積み重ねてきた①増税、②増負担、③社会保障カットは、最早まったく必要性を持たない政策になっている。しかし、必要性がなくなったからこそ、カルト教団化し、増税路線という教義を守りたい財務省は、必要性をでっちあげないといけない。そこで人身御供にされたのが高齢者なのだ。