一番食べてほしいものは、ずばり肉
他にも、老化を防ぐ食材や、メニューはたくさんあります。
脂肪については、オリーブオイルなどに含まれるオメガ9脂肪酸、脂ののった魚に含まれるオメガ3脂肪酸は、細胞レベルで必要な脂肪なので、気にしないで摂ってください。
気をつけてほしいのは、マーガリンやマヨネーズに含まれるトランス脂肪酸、肉の脂身やバター、ラードなどに含まれる飽和脂肪酸です。これらは、血液をドロドロにして細胞の炎症を引き起こしかねないとされています。
こってりしたものが食べたいな、というときは、なるべく「いい脂」を摂ることをおすすめします。たとえば、ドレッシングの代わりにオリーブオイルとレモンを絞ってサラダにかける。「昨日は肉を食べたから、今日は魚にしよう」そんな程度でかまいません。
一番食べてほしいものは、ずばり肉です。日本人は肉の摂取が少ない。私はあらゆる機会をとらえて「肉を食べよう」といい続けています。
肉を食べて、タンパク質を充分に摂ることで、筋肉量が増え、年をとってもスタスタ歩ける足腰をキープすることができます。肉にはセロトニンの材料となる必須アミノ酸のトリプトファンが多く含まれているので、食べておけば、意欲の低下やうつ病の予防にもなるのです。肉は必須といっていいでしょう。
長寿の人に共通する健康習慣とは
老年医学の専門家である柴田博先生は、国内外の百寿者を対象に長期に渡る調査を行い、長寿の人に共通する健康習慣を分析しました。豊富な臨床経験と、綿密な調査に基づいた柴田先生の意見や指摘は、説得力があるので、私は大いに参考にしています。
柴田先生の指摘によっても、日本の長寿者の特徴は動物性タンパク質(肉)の摂取割合が高いということです。
肉に含まれる動物性タンパク質を摂ることで、血液中に増えるアルブミンという物質は、脳卒中、心筋梗塞、感染症の予防に効果があります。柴田先生の調査によると、血液中のアルブミンが低い人ほど早期に死亡しているとのことです。肉の摂取量が高くなるほど、病気のリスクが低くなると柴田先生は指摘しています。
敬遠されがちなコレステロールも、低下すれば意欲がなくなり、惚けたような症状が出ます。年をとったら日々の食事で肉を積極的に食べ、コレステロールを摂る必要があるのです。なお、一日にとる肉は120~150グラム程度が適量です。
とはいえ、毎日、肉をこれだけの量食べるのはしんどいという人もいるでしょう。
その場合は、魚はもちろん、豆腐、納豆などの大豆製品を積極的にとりましょう。特にサバやイワシなどの青魚は、血栓をできにくくして、心筋梗塞や脳梗塞を予防するEPAやDHAといった必須脂肪酸が多く含まれているので病気予防になります。大豆製品は、良質なタンパク質が含まれているだけでなく、ミネラルや食物繊維も豊富なので、体にとって、非常にお得です。