大学院の講義と連動する番組

また番組中にはBBT大学大学院のリアルタイム・オンライン・ケーススタディ(RTOCS)」と連動した解説コーナーがある。

RTOCSでは、現実の企業が今まさに直面している問題が対象となって出題される。

「あなたがニコンの木村眞琴社長だったら、かつてのトップ商品が万年2位となってしまった現状をどのようにして打開するか」

「あなたがIAT(インターナショナル・アプリケーション・テクノロジー)の宣奇武董事長とすれば、世界の自動車産業を根本から変え、新興自動車メーカーが主力に躍り出るために何をするか?」

毎週日曜日夜にこのような問題が出題され、BBT大学大学院の学生は一週間以内に答えを出さなければならない。

学生たちは「IATって何だ?」「宣奇武董事長って誰だ?」というレベルから始まって、あらゆる情報を世界中から集めまくり、調べまくる。効率も求められるから、これを繰り返しやることで情報収集力がアップする。

その上で最大50名くらい在籍するエアキャンパス(サイバー上のクラス)で各自が情報を持ち寄って「私ならこうする」と自由に議論を戦わせる。大学院の1クラスだけでも一週間に400~500の発言が出てくることもあるから、自分とは違う発想に数多く触れることができる。経営者や管理職の人々向けのクラスなど含めて全部で20くらいのクラスで同時展開されるのだ。

年間52問、2年の在学中に104問のRTOCSを毎週やらされるのだから、BBTの学生諸君は鍛えられるわけだ。

そして一週間後の日曜日のライブ放送で、「大前研一が木村眞琴だったら」「大前研一が宣奇武だったら」という私自身の考え方を発表する。コンサルタントとしてありきたりの解答は示せないし、向研会やABS、経営塾などのメンバーも見ているから、こちらも真剣である。

大前研一ライブは一般の視聴者でも年間視聴料を支払えば見ることができる。今はCSだけでなくブローバンドでも世界中で見ることができるようになった。モバイル端末を使って好きな番組を「いつでも」「どこでも」「繰り返し」見ることができるので、今ではブロードバンドで視聴している人のほうが多くなっている。


■ビジネス・ブレークスルーチャンネル
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(次回は「人を創る仕事[5]——学校としてのBBT」 4月29日[月]更新予定)

(小川 剛=インタビュー・構成)