株価が10倍になるテンバガー株はどうすれば見つけられるのか。元マイクロソフトエンジニアで投資家の中島聡さんは「ピンポイントで当てるのは不可能だが、『数撃ちゃ当たる』の発想を持てば、大損をせずに大化け銘柄に辿り着くことができる」という――。
※本稿は、中島聡『メタトレンド投資 10倍株・100倍株の見つけ方』(徳間書店)の一部を再編集したものです。
第2のNVIDIA、Teslaの見つけ方
「次のNVIDIAはどこですか?」「第2のTeslaになりそうな企業を教えてください」
そういった質問をよく受けます。しかし、今後急成長していく企業をピンポイントで当てるのは不可能です。
では、なぜ私がNVIDIAやTesla、さらにはGAFAM(Google、Apple、Facebook ※現Meta、Amazon、Microsoft)のような企業を早い段階で見つけ、投資することができたのでしょうか。
その裏には「メタトレンドに乗りそうな企業を複数押さえておく」というシンプルなアプローチがあります。例えば、10社や20社の企業に少額ずつ投資し、そのうちの1社でも5年後や10年後に10倍以上成長すれば「結果として次のNVIDIAを引き当てた」ということになるわけです。
少額投資で唾を付けておく
このやり方にはいくつか重要なポイントがあります。それは、いきなり大金を投じるのではなく、まずは少額投資で「唾を付ける」程度にしておくこと。こうすると、急にその企業の動向が“自分ごと”になり、情報収集やニュースへの感度が高まります。
そして、ウォッチリストに加えた企業を半年から1年程度、様子見します。ある程度待ってみて、そこで思ったほど業績が伸びない、あるいはどうもこの企業には確信が持てないと思えば潔く売ってしまいます。逆に「この会社はもっと伸びる」と感じたら買い増します。これを繰り返すことで、最終的に確信を持てた本命だけが手元に残ります。
いわば「数撃ちゃ当たる」の発想ですが、私はこのやり方を続けてきました。これで10倍や100倍株を引き当てましたし、なにより多少のマイナスこそあれ、大損はしていません。