既婚者なのに「愛しててやばい」など、執拗なLINE攻撃

「俺と付き合ったら絶対大事にするけどな」「愛しててやばい」「めっちゃ好きやわ」「はじめてなんやけど」「お前絶対俺みたいなやつの方がいいと思うわ」といった不倫を持ちかけるような内容や、深夜の電話もあった(画像参照)。

メンターの男性から送られてきたLINE
提供=「匿名」さん
メンターの男性から送られてきたLINE

「Aさんは奥さんとお子さんの写真をデスクに飾っているような方で、奥さんの話もよくしていたので、家族思いの方だと思っており、よけいにショックでした。Aさんからは気持ちの悪いLINEや深夜電話などが続き、管理職の男性に相談したところ、その人がAさんと仲が良かったこともあり、『自分の仲いいヤツのそういう話聞くの、キモくてやだわ』とか『若い女の子は大変だよな』みたいに流されて……。彼は部長や副部長にも意見を言えて、女性からも男性からも人気のある人だったので、思いきって相談したのに、そう言われてしまい、『この人もそういう人なんだ』と思い、もうダメだと思いました」

管理職の男性は加害者と仲が良く、取り合ってくれなかった

同期の女性や先輩に話しても、「あるある」という反応や、「そういう発言は受け流して当たり前」という受け止め方ばかり。銀行内にセクハラパワハラ専門の相談窓口があることはコンプライアンス研修で周知されているものの、実際に利用する人はほぼおらず、毎日夜まで仕事に忙殺される中、連絡する時間もなかった。

また、過去には社内不倫で男女とも営業部署から外された例があったことも聞いており、念願の営業部署に配属された匿名さんは、別部署に異動したくはなく、大ごとにしたくないと思ってしまった。

「でも、結局、私は会社を休みがちになってしまい、産業医の紹介でメンタルクリニックを受診したところ、適応障害と診断され、休職を勧められました。耳鼻科では難聴になっているという診断も受け、復職する際には在宅勤務しやすい内勤の部署を勧められましたが、その時点で、私は転職しようと思っていました。Aさんも私の復職後は、さすがにバラされたらまずいと思ったのか、連絡してこなくなり、彼は何の処分も受けないまま、通常の人事で別の営業に異動になりました」