遠隔ボディーガード:2.5倍の伸びを示すシニア向けHS

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高齢者世帯の半数近くは独居(出所:厚生労働省「国民生活基礎調査」(12年))

「ホームセキュリティサービス(HS)で、警備業はこれから大きく伸びる」と綜合警備保障の百武尚樹・ホームマーケット営業室長はいい切る。HSは情報システムと警備網によって家庭を見守り、災害や犯罪被害を防ぐ、いわば“遠隔ボディーガード”だ。

同社の2012年度のHS契約件数は、前期比約28%増の3万7000件を計画。とりわけ、「高齢化社会の到来で、シニア向けのHSは成長性が高い」と百武氏は見る。高齢者が災害、犯罪などのリスクに弱いことはいうまでもない。しかも、65歳以上の人の約半数が単身世帯だ。

そこで同社は、シニア向けHSの新サービス「シルバーパック」を10年10月からスタート。特徴は基本サービス(月額3706円)を、高齢者のニーズが高い救急・火災対応に絞った点だ。「防犯という警備会社のイメージを払拭し、手ごろな料金設定にしたかった」(百武氏)。目論見は当たり、11年4~5月の加入件数は前年同期と比べて2.5倍に達したという。

シルバーパックには、離れて暮らす近親者に、高齢者の生活ぶりを毎日伝える「見守り情報配信サービス」も付加できる。高齢者を抱える家族にとっても安心なサービスだ。ただし、シルバーパックの契約者の過半数は高齢者自身で、なかには60代の団塊世代もいる。「自分の身は自分で守る」というアクティブシニアの姿も垣間見える。