埼玉県ですら下水道事業は赤字
埼玉県がまとめた「埼玉の下水道2023 安心・安全支える下水道」によると、汚水の処理にかかっている経費は公共下水道分だけで年間761億円。このうち使用料で712億円が賄われている。埼玉県のような人口が密集している地域でも、下水道事業は赤字なのだ。つまり、利用料では賄えない分を税金で賄っているわけだ。
下水道の利用料計算には設備が老朽化していく分を経費計上する「減価償却費」が加えられている。だが、この計算の前提は法律などで決まった「耐用年数」が基本で、下水道の場合は50年になっている。だが、前述のように実際には50年より前に設備の限界がやってくるケースが多いので、減価償却費を積み立てたもので新しい管路に交換する資金が賄えるわけではない。そうなると都道府県や市町村の財政支出に頼ることになる。
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