2024年下半期(7月~12月)、プレジデントオンラインで反響の大きかった人気記事ベスト5をお届けします。健康・医療部門の第3位は――。
▼第1位 マイナ保険証でがん治療断念する人が出る可能性…廃止される健康保険証に記載された最重要情報とは何か
▼第2位 がんや早死にのリスクを高めるだけ…和田秀樹が「女性は絶対に飲んではいけない」と話す危険な薬の名前
▼第3位 和田秀樹「実は一人暮らしの認知症患者ほど症状が進みにくい」…認知症の人にこれだけは絶対してはダメなこと
▼第4位 「日本人が歯を失う原因第1位」毎日3回歯を磨いているのに歯周病になる人の意外な共通点
▼第5位 「とりあえず薬を」という横柄な医師が"秒"で黙る…医師・和田秀樹が伝授「診察時に出すと効果的なアイテム」
※本稿は、和田秀樹『脳と心が一瞬で整うシンプル習慣 60歳から頭はどんどんよくなる!』(飛鳥新社)の一部を再編集したものです。
頭のよい人は認知症をやみくもに怖れない
病気を必要以上に怖がらないということは、シニア世代の方が、これからの人生を賢く生きていくための知恵だと思います。
高齢を迎えた多くの人、あるいはその家族が抱える悩みとして、認知症に対する不安があるでしょう。
個人的に、認知症ほど誤解されている病気もほかにないのではないかと思います。
「認知症になったら最後、何もできなくなるし、何もわからなくなる」という誤った解釈が横行していますが、決してそんなことはありません。
認知症になったからといって、すぐに人の顔がわからなくなるようなことはないのです。意外に思われるかもしれませんが、最初の5年間くらいは、それまでとさほど変わらない生活を続けていける人がほとんどです。
さらに、認知症の症状が進行した状態でも、知的な能力は残り続けます。
69歳でアメリカの大統領になったロナルド・レーガン元大統領は、退任して5年後に、自身が実はアルツハイマーであったことを公表しました。その時にはかなり症状は進行していて、自分がまだ大統領だと思っていたようです。
おそらく、大統領就任中にはすでに初期の認知症にかかっていて、記憶障害などの症状は起きていたと思います。それでもレーガン氏は人望のある大統領として活躍し、偉大な功績も残しました。
レーガン元大統領の例からもわかるように、認知症になったら一切の判断力がなくなる、何もできなくなるなどと思うのは大きな間違いで、認知症になってもできることはたくさんあります。