主人公が困っていると、誰かが助けてくれる

その頃、結の家にやってきたのがIT企業に勤める幼馴染・陽太(菅生新樹)だ。

ある晩、プレゼンを任されたと言ったのは嘘で、今日もコピー取りをしていた、新人にも知識で抜かれ辞めようかと考えている、と語る。自分は何をやっても中途半端なのだと言って、こう締める。「おむすびみたいに、バリ好いとうって思えることもないし」。

陽太の言うおむすび=結で、「結=すごく好きなことをしている」という話なのだ。だが、この時点でも、結の好きなことはわかっていない。結ではっきりしているのは、困っていると誰かが助けてくれるラッキーガールだということだ。

2024年7月12日、東京で開催された「第35回 日本ジュエリーベストドレッサー賞」の表彰式に出席した女優の橋本環奈
写真=WireImage/ゲッティ/共同通信イメージズ
2024年7月12日、東京で開催された「第35回 日本ジュエリーベストドレッサー賞」の表彰式に出席した女優の橋本環奈

説明が遅れたが、結の彼氏は四ツ木(佐野優斗)という。糸島の名門野球部で投手をしていて結と出会った。メガネをかけていたから、通称「ヨン様」。「平成ってこうでしたよね」の小技も、「おむすび」のお約束だ。

ヨン様が所属しているのが、神戸の星河電気。そう、結の就職先だ。

“母のお膳立て”に脱力

ドラフトで巨人に指名されたヨン様の先輩投手が、常々アスリートに栄養士が必要だと訴えていた。会社は予算がないと却下したが、社員食堂で働く形なら雇ってよいと譲歩する。でも予算的にベテランは雇えない、だから新卒の結に入ってほしい――という話が、先輩投手から回ってくる。

彼は、結がヨン様に作った「社食のメニューの選び方」表がよくできていた、四ツ木が活躍できているのはあなたのおかげだと評価する。だけどその表は半べそをかいて悪戦苦闘する結を見かねて、元陸上選手の班仲間が手伝ってくれたものなのだ。

この就職話、いくらなんでも……と思う視聴者心を先読みし、結も悩む。ちょっとずるいなー、甘えていいのかなー。

そこに登場したのが、「博多ギャル連合」の仲間たち。カラオケボックスで語り合ううち、1人が「てか、甘えてよくね?」と言う。彼氏の会社から声がかかるのは、信用されてる証拠だよ、と。その夜、結の母(麻生久美子)にギャル連合の1人からメールが来る。「呼んでくれて、ありがとん」。友達からの励ましを母がお膳立てしてくれていたのだった。脱力。