「勉強しなさい」とセットで言うと効果的な声かけ
ここで「勉強しなさい」とセットで行うことで親の愛情を同時に伝えるコツをお伝えします。
●学ぶ価値を伝える
「この算数の問題を解くと、難しいことを考える力が鍛えられるんだよ」
「理科を学ぶと、世の中の仕組みが分かるから面白いよね」
「国語は、将来どんな本を読んでも内容が理解できる力をつけるためなんだよ」
など、学ぶ価値を伝える。
●小さな目標を設定する
「今日は漢字を3つだけ覚えよう」「10分だけ集中してみよう」
など、年齢に合わせた達成しやすい目標を設定することで、子どもに成功体験を与える。
●ポジティブなフィードバックを与える
「頑張ったね」「少しずつできるようになってきたね」
といった前向きな声掛けを心がけることで、子どもは努力を続けやすくなります。
親が導く「厳しさと気付かせ」のバランスがカギ
最後に大切なのは、親が「あたたかい愛情をベースとした厳しさ」と「気付かせ」のバランスを取ることです。
ある野球が大好きな小4の子どもがいるご家庭では、「勉強しなさい」と厳しく伝える一方で、子どもがつまずいて投げやりになっている時には「最初は誰だってできないんだよ」「この前も諦めずに頑張ったら、わからなかったところがわかるようになったよね」と励ましたり、「大谷翔平選手ならこういう難しい問題をやる時、どう考えて、どう乗り越えると思う?」という気づきを促す質問をしたりする関わりを続けていたそうです。
その結果、算数が苦手だったAくんは、「1カ月間、毎日1時間勉強にチャレンジする」と自ら目標を立てるようになりました。現在は小5になり、「もっと解きたい」と自分から1日3時間以上も集中して勉強する習慣が身についているそうです。
この例からも分かるように「勉強しなさい」といった厳しさが必要なケースもあれば、問いかけで気付かせる方が効果的なケースもあります。
子どもの性格や状況を見極め、柔軟に対応することが、学習意欲を引き出すカギです。親の適切なサポートは、子どもの未来を切り拓く最大の力となります。非認知能力のうちの「やる気」や「忍耐力」に相当するものが、身につくことでしょう。「「勉強してくれない」と嘆くよりも、ぜひこの記事を参考に、子どもと向き合いながら、その可能性を最大限に引き出してください。