指示の前に、気付きを促す「問いかけ」を活用する

ただし、単に「勉強しなさい」と繰り返すだけでは、親子間のコミュニケーションがうまくいかない場合があります。そこで、子ども自身が「勉強の価値」に気付くよう、親が問いかけを活用する方法が効果的です。

子供に話しかける父親とそっぽを向く子ども
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たとえば、将来の目標や夢を話題にしながら、勉強と結び付ける問いかけが有効です。

●「将来、大人になったらどんな仕事をしてみたい?」
→ 子どもが自分の将来について考えるきっかけを作ります。

●「その仕事をするためには、どんなことを知っていると役立つと思う?」
→ 勉強が夢の実現に必要なスキルであることを考えさせます。

●「今のうちにどんな準備ができると思う?」
→ 勉強が「将来の自分」への準備であると気付かせます。

また、憧れの存在がいる場合には、その人の成功の背景を話題にするのも有効です。

●「あなたが好きな人(アスリートやピアニストなど)は、どうやって今の実力を身につけたと思う?」
→ 努力や学びが成功につながることを認識させます。

●「海外で活躍している人ってみんなすごく勉強しているらしいよ」
「その人みたいに活躍したいなら、今の勉強はどう役立つと思う?」

→ 中学受験での勉強内容が夢に繋がっていることを気づかせます。

日常生活に結び付ける方法も効果的です。

●「普段の生活で、これって便利だなと思うものはある?」
「それって、どうやって作られていると思う?」
「どんな勉強をしておくとすごいものがつくれるようになりそう?」

→ 勉強が将来の可能性を広げる手段であることを感じさせます。

あるご家庭では、お母さんが子どもの将来の夢であるキャビンアテンダントという目標を学習につなげるために「CAさんとして活躍できるようになるためにはどんな勉強をしておく必要がある?」や「CAさんになるための条件って調べたことある? 調べてみたら?」などのを声かけを行い、学ぶ目的を子ども自身に感じさせるよう工夫していました。すると、こうした取り組みにより、子ども自ら勉強に向かうようになっていったそうです。

子どもは小4の頃から中学受験に向けての学習塾の入塾テスト対策を始め、小5になった時点で入塾試験をクリアしました。現在、その塾では150人中9番目の成績で、上位クラスを維持する為に朝6時から夜23時まで勉強することもあり、偏差値70レベルの中学校を目指して頑張っています。