民放でも配信でも匠の技を魅せた

4位 森田望智 45点

確かな再現力、強烈な印象、振り幅がすごい

演じる役柄の方向性がまったく異なるのに、どの作品においても強烈な印象を残す匠の技を感じた。「虎に翼」で主婦の鬱屈を表現したと思ったら、名作漫画のキャラを見事に再現。「シティハンター」(Netflix)の槇村香役は地味に感動しちゃったよ。完璧な鈴木亮平にがっつり喰らいついた感。

「シティハンター」(Netflix)
「シティハンター」(Netflix)公式ウェブサイトより

「ザ・トラベルナース」(テレ朝)の新人問題児ナース役も物語をかき回す厄介な役どころだったし、不評の声しか聞こえてこない「龍が如く」(Amazon Prime Video)でも、度肝を抜くトラブルメーカーの役。罪悪感も躊躇もなく迷惑をかける醍醐味を、まざまざと見せてくれた。

番外編② 阿吽の呼吸を見せた「名コンビ」3組

再び、話をそらそう。名コンビと思った作品が3つあったのでまとめておく。

●小林聡美&小泉今日子 酸いも甘いも経験した幼馴染コンビ

「団地のふたり」(NHK BS)で共演したふたりの「ちょうどいい」距離感がうらやましかった。55歳設定、キラキラもギラギラも通過し、人生の凪を淡々と謳歌するふたり。成熟というほど達観はしていないところもリアルだった。続編希望。

●伊澤彩織&髙石あかり 社会不適応な殺し屋コンビ

映画からドラマ化した「ベイビーわるきゅーれエブリデイ!」(テレ東)。ちさと(髙石)&まひろ(伊澤)は淡々と任務をこなす手練れの殺し屋だが、ほどよく脱力感を醸し出す共同生活が愛おしくてね。時を経てもコンビは続けてほしい。

●比嘉愛未&西野恵未 少しずつ心の距離を縮めていく愛情

「作りたい女と食べたい女」(NHK)は、女性同士の恋愛を丁寧に描いた作品。料理好きな比嘉と食べることが好きな西野が、隣人からお互いの大切な人へと、愛情を育んでいく。このふたりだったからこそ、優しい物語として完成した感がある。

コンビではないが「極悪女王」(Netflix)でデビル雅美役の根矢涼香と、ジャガー横田役の水野絵梨奈も名演だった。身体能力の高さと表現力で、昭和のレスラーを見事に再現。メイン3人もよかったが、特にこのふたりがリアリティに貢献。

さて、やっとベスト3へ。誰もが納得ではないかと思う。