天皇もやっている「おみくじ」の由来

初詣でお守りを受けたほうがよいか、と迷う人もいるかもしれません。常に信仰心を高める意味でお守りを受けて、肌身離さず持っているのはいいと思います。そして1年たったら、神社に返します。絶対にゴミ箱には捨てないでください。

おみくじを引くのもいいでしょう。昔は亀の甲羅を焼いて占いをしていました。天皇が代替わりしたとき大嘗祭だいじょうさいをおこないますが、そのときに、お米を奉納します。このとき悠紀殿ゆきでんで、悠紀地方の悠紀田で収穫されたお米で悠紀殿供饌の儀が執り行われます。続いて主基殿すきでんで主基地方の主基田で収穫されたお米で主基殿供饌の儀が執り行われます。どの田んぼのお米を使うかを決める際には、未だに亀の甲羅を焼いて占う亀卜きぼくが行われています。

おみくじは、亀卜から来ているものですので、歴史は古いのです。

じつは初詣よりも大晦日が重要な理由

そして私が初詣より重要だと考えているのが大祓おおはらえです。これは神社の大事な行事の一つで6月末と12月末に行われます。一般の人でも参加できます。私の通っている神社ではくぐりをします。細長い葉っぱを束ねてつくった、人が通れるほどの輪をくぐるのですが、これにより知らず知らずのうちについた罪や穢れを落とすことができるのです。

「自分は清廉潔白で罪穢れはない」と思う人もいるかもしれませんが、それは間違いです。誰でも生きていくために殺生をしています。何かの命をいただいて生きているわけですから、罪穢れがついているのです。年に2回、それを思い起こす意味でも大祓に参加するのはいいと思います。

(聞き手・構成=向山勇)
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