初詣は有名な神社よりも、氏神神社に行こう
私の考える「いい神社」とは、やはり自然に囲まれているところです。三峰神社や大山阿夫利神社はその意味ですばらしい神社だと思います。しかし、本殿と奥宮は離れていますし、人が多くなる初詣には向きません。
ですから、初詣は氏神神社に参拝するのがいいでしょう。氏神神社とは、自分が住んでいる地域の氏神様を祀っている神社です。日本全国どこに住んでいても、住んでいる地域の氏神があります。初詣は氏神様に参拝するのが基本です。
日本では昔から「3つの神を大事にしろ」と言われています。それは、「産土神」、「氏神」、「自分の好きな神様」です。産土神は生まれた場所の神様です。
氏神神社以外でどこに初詣に行けばよいかを迷ったときには、一宮に行くのがおすすめです。国の1番格式の高い神社を一宮と呼びます。たとえば、東京周辺は昔、武蔵の国でしたが、一宮は大宮にある氷川神社です。武蔵の国では東京は田舎で大宮が首都だったのです。
初詣で絶対にやってはいけないこと
初詣に行ったら、まずは鳥居の前で挨拶をしましょう。お辞儀をして鳥居をくぐったら、左側通行です。真ん中は絶対に歩いてはいけません。神様が通る場所だからです。
神社では、すべて左優先です。手水舎でも同じです。
右手で柄杓を持って清水をくみ、左手にかけて清めます。次に柄杓を左手に持ち替えて、右手を清めます。再び右手に柄杓を持ち替えて、左の手の掌に水を受けて口をすすぎます。最後に柄杓を立てて、残った水で柄杓の柄を清めて終わります。
混雑した神社では、遠くからお賽銭を投げ入れる人を見かけることがありますが、ぜひ賽銭箱の手前まで行ってください。鈴がある場合には、鳴らします。そしてお賽銭を入れたら、二礼二拍手一礼が基本です。出雲大社のように神社によっては二礼四拍手一礼のケースもあります。神社のルールに沿ってください。
拍手をするときにも、左優先です。左手が少し上に出るように両手を合わせます。このとき、前述のようにお願い事はしないようにしましょう。「今年1年家族が健康に過ごせますように」程度であれば構いません。これは利他だからです。反対に「お金持ちになりたい」とか「結婚したい」といった利己的な願い事はいけません。
参拝を終えた後も左側通行で鳥居まで戻り、一礼して帰ります。参拝の時間は午前中がいいでしょう。本当の神事は夜中に行われますが、参拝は午前中がいいとされています。はっきりとした理由はわかりませんが、おそらく明るい気のうちに行ったほうがいいという意味でしょう。