ジェンダー平等を重んじる秋篠宮家

また、ジャーナリスト・江森敬治氏の著書『秋篠宮』(令和4年)にも秋篠宮家を支える皇嗣職こうししょくという組織について、ジェンダー平等の観点から大胆な改革が行われた事実が紹介されています。

男性職員なら「侍従じじゅう」、女性職員なら「女官にょかん」というこれまでの呼び方をやめて、男女とも「宮務官きゅうむかん」に統一されました。しかも呼び方を変えただけでなく、トップに位置する“皇嗣職大夫だいぶ”や“宮務官長”などに、女性を任用することも考えておられると言います。 

性別による仕事の仕分けも取りやめました。《仕事面で男女の区別をなくすということは、先例を重んじる宮内庁の組織にあっては、かなり思い切った改革だ》(江森氏)

佳子さまが先にお入りになった

秋篠宮殿下のジェンダー平等へのお考えは本気だと思えます。さらにこんな場面もありました。

高森明勅『愛子さま 女性天皇への道』(講談社)
高森明勅『愛子さま 女性天皇への道』(講談社)

秋篠宮、同妃両殿下が令和5年(2023)5月に行われた英国のチャールズ新国王の戴冠式に出発された時のことです(5月4日)。秋篠宮邸の玄関前で、佳子殿下と悠仁殿下がご一緒にご両親のお見送りをされました。ご両親を乗せたお車が遠ざかって、おふた方が玄関をお入りになる場面をカメラが映し出していました。自然な流れで、お姉さまの佳子殿下が先にお入りになり、その後から弟宮の悠仁殿下がお入りになる、という順番でした。

これを考え方が古い男系主義者が見ていたら、違和感を覚えるかもしれません。皇位継承順位が第2位の悠仁殿下より先に、皇位継承資格を持っていない佳子殿下が先に入るとは何ごとか、と。しかし、このような振る舞いがごく自然にできるということが、ジェンダー平等を重んじる秋篠宮家の家風にほかならないでしょう。

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